ミーティングでのお誘い




「では、今年度第一回旅行サークルのミーティングを始めま〜す。こんなことしたいとか、別に旅行じゃなくてもみんなでやりたいことあったら提案してくださいね〜」

「はいは〜い!キャンプなんてどう?ま、夏休みになっちまうけどな」

「お、それいいじゃん。オレもキャンプ賛成」

「キャンプ、と。じゃあ夜はバーベキューだな!でも、夏休みまでまだ1ヶ月以上あるしな〜・・・。それまでに交流会っぽくなんかしない?例えば・・・海で花火とか」

「それいいじゃん!もうすぐ7月だし、そろそろ花火も売り出すでしょ」

「んじゃ、7月の第一週目に花火、と。よしよし、着々と進んでくなぁ〜」





旅行サークルのミーティング。

ミーティングっていうか単なる飲み会って気もするけど・・・。


今日集まってるのは2年の会長と副会長、それに和希さんとあと数名、3年の玲さんとあともう1人、
そして1年はあたしと唯と百合と亮である。



こうして集まってみるとまだまだちゃんと知り合ってる人って少ないんだなぁ・・・。
わかんない人が多いんだもん・・・




「3年生の人も極力参加してくださいね〜、玲さん、ゆかりさん」

「はいはい。って車目当てだろう?」

「ばれたか。でもホント寂しいからお願いしますよ!あと他の人に伝言も」

「わかったわかった」


玲さんとゆかりさん(やっと名前分かったし)が苦笑いして答えてる。
でもその表情は何だかうれしそうにも見える、かな?



「っと、つまみがなくなっちゃったじゃん〜。和希、買出しお願い」

「何で俺・・・」

「だって和希まだ飲んでないじゃん。ちゃーんとチェックしてるぜ」

「・・・はいはい。でも1人は寂しいなあ・・・・・」

和希さんはチラッとあたしを見た。



「あ、あたしも買いたいものあるんで行きます!」





――――――――

「つまみつまみ、と。辛い系と甘い系買ってけばいいよな」


あたしと和希さんは和希さんの車で、20分ほど先にあるスーパーに来た。
あたしたちの大学は山の上にあるので、車が便利なのである。

レジを済ませ、買ったものを袋に詰めてるとき、ふとあるものが目に止まった。
映画のポスターである。



「あ、これ。おもしろそう・・・」

「ん?・・・ああ、いいね。俺も見たいかも。一緒に行く?」


「え!?」


和希さんがあまりにもサラッと言うので、あたしはびっくりして詰め掛けのおつまみを落としてしまった。



「あーあー。ポッキー折れちゃったかもね・・・。っていうかそんな驚かなくても。侵害だなぁ。そんなに嫌なの?」


「い、嫌とかじゃなくて、ただ、びっくりしちゃって・・・」

「嫌じゃないなら行こうよ。そうだな〜・・・今度の日曜日なんてどう?」

「大丈夫ですけど・・・ホントに行くんですか?」

「もちろん!」


和希さんが笑顔でそういうのであたしはもう何も言えなくなってしまった。



そしてあたしたちはそのままスーパーを後にして
大騒ぎしている(半ば出来上がってしまっている?)ミーティング場におつまみを届けた。